sss06
※人名表記です。
※二人の誕生日=伊国統一→西、墺は複雑、みたいな話(わかりにくいね!)
「ヴェー。兄ちゃん、みてみて~。こんなにお花もらっちゃった」
ロヴィーノが振り返ると、フェリシアーノが両手いっぱいに花束を抱えて立っていた。
春らしい明るい色合いのものばかりで、カードが添えてあるものもある。
「プレゼントもたくさん届いてるぜ」
いうように、部屋の中にはたくさんの贈り物が運び込まれていた。
また、ときどきなる電子音は携帯電話にお祝いのメールが着信したことを知らせるものだ。
「嬉しいね、兄ちゃん」
「あぁ、そうだな」
ロヴィーノは笑ったが、ちらりと携帯を確認して少し眉尻をさげた。
目ざとく気づいたフェリシアーノがその顔を覗き込むと、彼は小さくため息をついた。
「お前、ローデリヒはなんか言ってきてるか?」
「ローデリヒさん……?」
きょとんと首をかしげたが、すぐにその言葉が意味することに気付き、フェリシアーノは寂しそうな顔で首を横に振った。
「アントーニョ兄ちゃんも、なんでしょ?」
「あぁ」
二人は、兄弟のそれぞれを支配していた。
とはいえ、兄弟にとってはどちらかといえば育ての親のような感覚である。
そのため、誕生日を祝ってもらえないのは少し寂しいのである。
もちろん、ローデリヒとアントーニョにとって兄弟の誕生日が喜ばしいだけのものではないとわかっているため、余計に複雑なのだ。
(どこぞの兄弟のように独立、という形ではないため、そこまで確執があるわけではないのだが)
「プレゼントは無理でも、カードくらいは届かないかな」
呟いたフェリシアーノが郵便受けを見に行こうと花束をテーブルに置いたときだ。
ピンポーン。
来客を告げるチャイムがなり、二人は顔を見合わせた。
「誰かな?」
「さぁ」
宅配便だろうか、と首をかしげながらも、二人は玄関に向かう。
「どちら様ですか……?」
ドアの向こうに尋ねながら開くと、
「遅くなってしまってすみません」
「ローデリヒが道に迷ってしもうてな」
「あなたがプレゼント選びに手間取ったからでしょう、このお馬鹿さんが」
そこに立っていたのは、大きな花束とケーキの箱とプレゼントが入っているらしい箱を二つを携えたローデリヒとアントーニョだった。
「お、お前ら、なんで……」
「なんでって、今日は二人の誕生日やろ?」
「そのお祝いに決まっているでしょう」
二人は当然だという顔で笑ってから、声をそろえ、
「誕生日おめでとう、フェリシアーノ、ロヴィーノ」
思ってもみなかった来客と祝福の言葉に兄弟は顔を見合わせ――
「ありがとう!」
兄は照れながら、弟は満面の笑みで、こたえたのだった。
<END>
<あとがき>
二人とも、お誕生日おめでとう☆
保護者'sは実はあまり気にしてません。
兄弟のほうがやけに気を使っています。
……っていう、私設定でした(笑)
Diary(10.03.18)の再録でした。